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「ん、手だして」
「え?」
深空くんが立ち上がって、おもむろに私のほうに
手を差し出すから、
私も反射的にそれに応える。
「気に入ってくれたなら、これあげる」
広げた掌の中に、さっき渡したはずのピアスが
コロン、と落ちてきて。
「あ、ってか穴空いてないか」
深空くんがそう言って、
私の耳を覗きこもうとする。
私は、確実に真っ赤になってる両耳を
見られまいと咄嗟に手で覆う。
「あっ、空いてない、けど、空ける予定……近々」
……たった今そういう予定になりました…
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