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みるみるうちに身体の熱が顔に集まる。
「あ、や……今のはえっと……違っ……」
「それなら、そっちだってぴったりでしょ」
私の慌てふためく声を、深空くんが遮った。
「え……」
「ラピスラズリの和名、瑠璃ってゆーの。
瑠璃、だろ?名前」
深空くんの中低音の声が、
ガランとした教室に響いて私の耳に届く。
一瞬、何て言われたか分からなくて、
頭のなかで必死に反芻する。
「……あ、うん……」
……私の名前、知ってくれてたの?
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