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仲のいい後輩くん。
最近、仲の良い後輩くんに避けられている。
元々同じゲームが好きだからという理由で友人に紹介してもらった彼は、今ではその友人を凌ぐ程の仲の良さになっている。
―――はずなんだけど。
「避けられてる?」
「そうなの」
先述した友人である中谷 稜に、最近の後輩くん――高城 颯くんの様子について話す。
これまで、週1回のペースで学校外で会ってゲームしていたのだが。
「最近、誘っても忙しいから…って」
「忙しい?あいつ、部活は幽霊部員だし今テスト期間でもないよな?」
「そうなの、そうなんだけどさ…。なんでだろ、私なんかしたかな?何か聞いてない?」
私の質問に対し、うーんとうなる稜。
「俺は特に聞いてないけど…まぁ、考えられるとしたら…」
「考えられるとしたら?」
「女でしょうな」
「……!!」
そ、そうか。女。彼女ができた可能性。
確かにその可能性は考えてなかった。
だって、
「――いちばん仲がいいのは、私だと思ってた…」
「はは。仲がいいのと恋愛対象は別だぜ~」
にやにやと笑う稜の足を机の下で蹴飛ばす。
わざとらしく「いてっ」と声を上げるが、その顔は愉快そうである。
「でも、ふーん、お前が颯のことをねぇ…」
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