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「な、なに、別にいいでしょ好きだって!」
「悪いなんて言ってないだろ。好きなやつがいるっていうのは良いことだと思うし」
そう言って、私の頭をなでる稜。
稜のこういうところ、私じゃなかったら絶対勘違いしてる。
こいつは自分の顔がいいということを自覚していないのではないかと思う。
「でもまぁ、まだ彼女ができたって決まったわけでもないし。本当に忙しいかもしれないしさ」
「うぅ…ありがとう…。もし彼女出来たとか話聞いたら教えてね…なるべく早くあきらめる…」
「聞いたらな」
稜はやはりにこにこしながら再度私の頭を撫でた。
「…こういうの、好きな子が見たら誤解されるよ?」
私がそう言うと、稜は一瞬ぽかんとした顔をして、その後にっこりと笑顔を見せた。
「大丈夫。わざとだから」
「え?…どういう…」
「恋愛には、駆け引きも必要だと思わない?ね、美佳ちゃん」
「っ!そういうこと?…性格悪っ…」
どうやら、稜の好きな子というのは同じ教室内にいる女の子のうちの一人らしい。
――見せつけて、反応をみてるんだ。
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