仲のいい後輩くん。

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「それでどうしたの、改まって話って」 人のあまり通らない廊下の隅で、立ち止まった颯くんはそのまま黙りこんだままだった。 話しはじめるまで待とうかとも思ったけれど、少し気まずい空気にすぐに耐えきれなくなって私から話を切り出してしまった。 「…あの、」 「うん」 「美佳先輩は、稜先輩のことが好きなんですか?」 「…うん?」 全く想像もしていなかった質問に、首を傾げる。 私が稜のことを?そんな風に思われるようなこと、私言ったっけ? 「稜は…確かに、仲は悪くないと思うけど」 「…聞き方間違えました。美佳先輩は、好きな人っているんですか?」 「い、…いるって言ったら、なんなの?」 「っ…!誰ですか!?」 「言いたくない…」 まさか、言えるわけない。 私が好きなのは颯くんだよなんて。 ただでさえ避けられてるのに、そんなこと言ったら。 もう、一緒にゲームしたり遊んだり、――話すことも、できなくなってしまいそうで。 「…なんで、そんなこと聞くの…?」 真意が分からない。 私に好きな人がいたらなんだっていうの。 あなたが好きですと言ったら、付き合ってくれるの? そんなわけないよね。 ――俺も好きな人がいて、誤解されたくないから、もう遊んだりするのはやめましょうって?? 的確な答えのような気がして、一人で落ち込む。 颯くんの返答を待って―――颯くんから出てきたのは、絞り出すようなつらそうな声だった。
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