焦燥

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焦燥

「くそっ、くそ!」 海沿いの道を走る。 川を下り、海まで行かないともう一つの橋はない。 タイムロスどころではない。スパは諦めて会社のトイレで着替える他にない。 河口に架けられた大きな橋を渡る。遠くに見えるのはいつもの通勤電車。ひょっとしたら、この時間ならあれに乗っているのは先週までの自分かもしれない。 昨日の下見が意味を無くす。 見慣れない道は後からスマホで見ると遠回りしていた事に気づく。 焦りがさらに判断ミスを産んだのだ。 全身が汗まみれだ。 このまま時間内に着いても仕事にならない。 だが、遅刻する訳にはいかない。
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