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=土曜日=
午前中はチームの練習があって、悶々とした気持ちを抱えたまま体育館に向かった。
健全な空間にそぐわない俺の頭の中に、誰も気付かない。
ゆうべ知ってしまったアレやコレを、彼もしているんだと思うと、今まで彼の隣に座り、彼を連れ去った男達が憎たらしい。
その全てを、俺が、彼と…と思わずにはいられなかった。
次の週末を待てそうにない。
一日でも早く、彼に会って、想いを伝えたかった。
「おはよう!昨日あれからどうした?」
背後から声を掛けられて振り返ると、悠真君が屈託のない笑顔で立っていた。
「一応、声をかけるのはいいって。
あとは、どうやってアピールしてくか、だよね。」
そう言いながら、最初に何て声をかけるかは決めていた。できるだけ、自然に誘うセリフ。
それよりも…悠真君に聞いてみたい事があった。
正直、スゴく…聞きづらい事。
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