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気分が冴えないのは、雨のせいだけじゃないのはわかっていながらも、無理にそう思おうとしていた。
こんなに気分が落ち込むほど、相原に気持ちが有ったわけではない筈だ、
なのに、結婚するという事実を消化できずにいた。
考えの行き着く先は一つで、結局僕も恋をして幸せになりたいのだ。
スーツの下に残された痕をそっと撫でて、溜め息をこぼす。
あの店で、本気になれる相手にいつか出会えたりしないだろうか…。
淡い期待が胸を掠めた。
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