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「え…ウソ…。
陸?陸の好きな人って…。」
「マオ!」
言いかけたマオ君の言葉を遮って、彼は言った。
「自分の言葉で伝えたいから…。
…あと少し、待っててもらえますか?」
恐る恐る振り返ると、ドキリとするような優しい目で、彼はそこにいた。
断って、帰るつもりだったのに、何故か僕は…頷いていた。
「ちょっと!要さん?」
バシバシとマオ君に肩を叩かれ、ハッとした。
「えっ?あぁ…マオ君…どうしよう…。
僕…どうしたら良い?こんなの…初めての事で、どうしたら良いのかわからないんだ。」
混乱して泣きそうになった僕の肩に置かれたマオ君の手に、力が込められた。
「落ち着いて。
まずは陸の話を聞いてみたら?」
「あぁ…そうだね…。」
グラスに残ったビールを一気に煽り、深呼吸をしてみるが落ち着かない。
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