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ひとりでする慣れない行為は、ひそかに僕の体力を奪う。
心は、侘しさと情けなさ、それに僅かな幸福感の混ざった、何とも言えないものだが、不思議と満たされている。
認めざるを得ない。
僕は彼に恋をしているんだと思う。
声をかけられ、曖昧な形でも好意を示された。
それがきっかけで意識したことに間違いはないが、彼の話す声や仕草、どれも魅力的だった。
マオ君の話からしても、いい加減な人物ではないだろうと、予測はできる。
でも彼は、まだ大学生で、僕とは一回りも歳が離れている。
上手くいく筈がない。
そう思っているのに、心のブレーキが効かない。
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