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店を出て大通りに向かいながら、連絡先の交換をした。
「あぶねっ…すっかり忘れてた…。」
そう言いながら、彼は大切そうにスマホの画面を見ている。駅まで送ると言うのを断り「それじゃあ」と背中を向けると「待って」と腕を掴まれた。
「明日、会えない?」
「あー、うん。大丈夫だよ。」
「本当?それなら、デートしよう!
仕事か終わったら、連絡しても良い?遅くなるけど…。」
「あぁ、いいよ。」
キラキラとした笑顔が眩しい。つられて微笑み返し、片手を上げてその場を去った。
どうしようもないくらい、心臓が痛い。
デートという単語に過剰に反応している。
「どうしよう…。」
にやける口元を押さえ、子供のように浮かれていた。
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