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「それにしても、何でこんなに青いんだろうな」
「現実世界で雨が降っているからじゃない?」
「雨は無色じゃないか」
「でも、水に包まれると世界は青くなるから」
お茶を飲んだり、猫をなでたりしながら、僕らはそんな話をした。
「私以外に、一人で青世界に入れる人は本当にいないのかな」
「いいじゃないか、その方が気楽で」
「そうね。ここにいると、すごく気持ちが落ち着くの」
上條の、制服の胸が穏やかに上下している。
猫の引き取り先を早く見つけなくてはならない。それは確かなのだが、同時に僕は、この二人と一匹の空間が上條に与える安らぎを、どうにか守り続けたい気持ちが胸にあふれてきていた。
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