オオカミと卵焼き

28/28
4329人が本棚に入れています
本棚に追加
/253ページ
朝待ち合わせたコンビニに着いた。 寮に送って行きたい気持ちもあったけれど、 今日は止めておこう。 僕と一緒のところを誰かに見られたら、良くない噂になるだろう。 僕は噂なんて、気にしないけれど、ウサギを傷つけたくない。 僕はウサギの頬をそっと撫でる。 ウサギはハッと目を開いて、 「寝てしまいました。ごめんなさい。」と慌てて謝っている。 「いいよ。」と僕は笑う。 「昨日緊張して、よく眠れなくって…」と赤くなる。 「遠足前の子どもみたいだね。」と言うと、ますます赤くなった。 ウサギは車を出て帰って行った。 部屋に着いたらメールを入れるように言ってあったので、 僕はコンビニで買い物しながら、ウサギのメールを待つ。 「部屋に戻りました。 今日はありがとうございました。楽しかったです。」 と短いメールの後にウサギの絵文字が入っている。僕は 「寝顔が見れてよかったです。」と返信した。 僕のメールを見た時のウサギの慌てる顔を想像し、 楽しい気分で、コンビニを後にした。
/253ページ

最初のコメントを投稿しよう!