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「吉葉さんに渡せばいいんですね」
「いや、水落さんに」
水落さんに?
ぎょっとして目を丸くしていると波瀬が不審がる。
「いなければ吉葉さんに渡しておけばいい」
「…わかりました」
ついにきてしまった。
一緒に仕事をしている以上こういうことがあるんじゃないかと危ぶんでいた。
よりにもよって喧嘩をして避けている時に限って。
暗雲を背負いながら何度もため息をついて、午後からの打ち合わせの準備を再開するが、仕事に身は入らなかった。
だって、今、何を、どう言えばいい?
どんな顔をして会えばいい?
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