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「そうなんですね。意外です」
「俺も時々自分から近づくよ」
「何でですか」
「話したくなって」
「何でですか」
「だって面白いでしょ」
「変わってるっていう意味ですか」
「まあそれもあるけど。君は水落さんと話してて楽しくないの?」
楽しくないかと訊かれたら、それは楽しいけど。
恋人関係じゃなければ純粋に楽しいと思えるのかもしれないけど。
色々しがらみが加わると、もう何が何だかわけがわからなくなる。
自分の中の感情が処理しきれずに、ショートしそうになる。
「楽しいという気持ちもありますけど…正直よくわかりません」
「そう。まああの人のことは誰もわからないと思う。気難しいっていうのとも違うけど。特殊な事情があった分複雑化しているように見える」
「性格がですか」
「明るくてノリがいい時と怖くて近寄りがたい時があるでしょ。極端に差があるというか。それが余計に狂気的に見える時もあるけど。そうじゃなくて陰と陽があるだけなんじゃないかな」
やはり志賀は水落のことをよく知っている。友人ではないと言ったがそれに近いくらい親しいのではないだろうか。でなければここまで分析できるものだろうか。
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