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「じゃあいいニュースだけ。面倒なニュースはスルーで」
「それじゃいいニュースのほう。特捜部に新しいメンバーが加わる」
その言葉に一瞬時が止まり、次には再度がばっと起き上がって江幡に問い詰める。
「まじですか!」
新しいメンバー! なんて素敵な響き。最近耳にしたどんな言葉よりも甘美かつ血沸き肉躍る。
ようこそ東京地検特捜部へ。休みはないしきついししんどいし眠れない。でも響きだけはカッコイイ特捜部に入れるなんて。君はとてもついているよ。頭のおかしいエースはいるけど気にしないでね。
ああでもぬか喜びすると後で痛い目に遭う。ただの事務員とかいうオチやめてよ。
「それって主力メンバーとして活躍してくれそうですか?」
「活躍するだろうな。大阪地検特捜部から異動になったんだから」
大阪? 東京より規模は小さいがそれでも仕事内容は同じだからつまりは経験者だ。法廷をやっていた検事がいきなり捜査をやるよりはこちらが教えることが少なくて済む。
「え、どんな人ですか? 仕事できます? 大阪から東京に来るなら左遷じゃなくて昇進ですよね?」
「おまえほどじゃないだろうが有能だと聞いている。歳は二十八でしかもイケメンらしいぞ」
「すげえ! 俺の希望通りじゃないですか」
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