10

32/33
5407人が本棚に入れています
本棚に追加
/664ページ
「俺のトラウマって例の火事ですか。えーまたあれ思い出すんですか。結構きついんですけど」 「無理にとは言っていない。それに嫉妬といっても彼が許してくれるなら軽いものだろう」 「軽いと俺は思ってるんですけどね」 「別れるまでに至らないなら現状維持でいけばいい」 「やっぱりみんなその結論か…」 「みんなって色んなところで相談してるのか」 「志賀くんにも現状維持でいいんじゃないかって言われて」 「おまえはあちこちにゲイだと触れ回っているのか」  だからゲイじゃないんですけど。まあ江幡さんからしたらどれも同じですよね。 「そういうわけじゃないです。志賀くんは鋭いんで悟られちゃっただけで」 「なるほど。というか彼を見習って紳士的に振る舞えば円満にいくんじゃないか」 「そうしようとしたらきもいって言ったの江幡さんじゃないですか」 「そうだったな。王子様キャラでいくと言われたからそれはきもいと言ったが今もその気持ちに変わりはない」  そうですか。まあそうですよね。急に俺が王子様って。元警視総監に矯正してもらっちゃう? 素敵な貴公子様にしてもらえるかも。特捜部のエースじゃなくてプリンスって呼ばれるかも。わーきもい。
/664ページ

最初のコメントを投稿しよう!