リンケージ２

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「実はですね、今日もそれを報告しようと思っていました。先日刑事総務課の女性三人組から課長に口利きをしてくれ、と依頼を受けまして。その時に手作りクッキーを渡した会計課の女性の話を聞いたためその件を把握しているという顛末です」
「何か兄貴の口ぶりって職場そのものって感じだね」
　変なところで卓実が感心している。そうだよ。職場でもこんなんだよ。上司と部下だから。
「そうだったんだね。君にまでその手の迷惑をかけてしまってすまないね」
「いえ。モテる方こそいちいち対処するのも大変でしょう。でももらったクッキーを人にあげてしまうっていうのは勿体ないですよね。折角作ったのに」
「職場に配ったものの余りだと言っていたし」
「そんなの口実に決まってるじゃないですか。仮に同じ物を職場に配っていたとしても、課長の分は多めに入れてあるとか、ラッピングを可愛く凝ったものにしているはずですよ」
「兄貴、何かトゲトゲした言い方になってんね？」
「なってない！」
　まるで嫉妬しているかのような指摘はやめてほしい。本当に嫉妬などしていない。
　ただ、作る側からしたらたかがクッキーであっても手間暇かけているものであり、それを簡単に人に渡すのはどうかと思っただけだ。もし七海が同じことをされたらいい気はしない。