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確かに大事にされて常に優しくされて手づくりが食べたいって微笑まれたら嬉しいし、まあときめきみたいなものはあるよ。どきどきする時もあるし、好きだって思うし、幸せな気持ちにもなるよ。
でも抱かれたいって思うかって言ったら思わないからな! それは流石にないからな!
そこまで真性ホモじゃないからな!
「…おまえ激しく勘違いしてる。俺は男に抱かれたいなんて思ったことは一度たりとてないんだよ」
「あ、そうなの? 櫂さん相手でもないの?」
「水落くん相手でもないの?」
だからそこで便乗するな! 多月を睨むと苦笑されてしまう。
「水落さんなんかもう全然ないです!」
「え、水落さんってあの親たちが大絶賛の人?」
そして事情をまったく飲み込めていない卓実が突然浮上した男の名前に戸惑っている。
「水落さんと会ったことあるの兄貴?」
「あるといえばあるけど…」
「こないだ一緒にもんじゃ焼き食べたよね」
「えっ! 俺も水落さん見てみたい。特捜部のエースなんだよな? それだけでもうカッコイイ」
「カッコイイよ。水落くんは見た目も中身も七海くんが憧れるに値する男だから」
話がどんどんややこしくなってきた。どこをどう否定したらいいのかさえわからなくなってきた。とにかく全否定したい。
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