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「マヤ、うちのがまたマヤに会いたがってる。週末どう?」
「私は大丈夫だよ。たぶん旦那さんも大丈夫だと思うから一緒に行くね?」
「ああ、待ってる。気をつけて帰れよ。」
「うん。ありがと。じゃあね。」
と小さく手を振り、それぞれの方向へと別れていく。
圭くんと私はあの夏の日からそれぞれの道を歩み、そしてお互いそれぞれに結婚した。
けれどーーー
やっぱり、今でもほんの少しだけ圭くんが好き。
だからといってそれはラブじゃない。
上手く説明は出来ないけれど…私と言う存在に欠かせない一部分のような。
だって私達は幼馴染みだもん。
だからといってこういう事をするのは良くないって分かってる。そこにラブがないとしても。
それなのに…今でも隠れてこんなごっこ遊びを続ける私達はあの時と同じイケない子なのだろうか?
圭くんと別れ一人で歩く帰り道、そんな事を考えた。
夜空にぽっかり浮かぶお月様だけが私達を見ていた。
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