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それからどれくらい経ったでしょうか。
誰かに呼ばれたような気がしてチェリィは目を覚ましました。
「?」
当然のことながら誰もいません。
気のせいだったのだろうと自己完結してもう一度眠りに付こうとしました。
『……――!』
チェリィはとび起きました。間違いなく誰かの声が聞こえたのです。
「誰?」
チェリィはきょろきょろと辺りを見まわします。
具体的になんと言われたのかはよくわかりませんでしたが、あれは、助けを呼ぶ声でした。
ここではないどこかから、けれどそう遠くない場所からの呼び声です。
いてもたってもいられなくなってチェリィはカーディガンを肩にかけて外に飛び出しました。
「ねぇ、誰なの!」
玄関の前で周りの様子を確認しながらチェリィは叫びました。
ふと視線を上げると、森の方からうっすらとした光がもれています。
あれはなんなのでしょう。まるで光の道のようです。
チェリィはさっそく光の続いている方へ走って行きましたが、途中で引き返してジミーのおうちへ向かいました。
「ジミー、ジミー起きて!」
チェリィはジミーの部屋の窓を叩きながら声をおさえつつも呼び掛けました。
もぞもぞと起き上がったジミーは、窓の外にチェリィがいることに気付いて目を丸くします。
「どうしたんだい?」
慌てて窓を開けたジミーの手をチェリィは引っ張りました。
「一緒に来て!」
「へ?」
「早くぅ!」
「ちょ、ちょっと待ってて」
ただならぬ事情があると察してくれたジミーは急いでおうちを抜け出してきてくれました。
二人共パジャマの上にカーディガンを掛けた格好のまま森の方へ向かいます。
光の道を辿りながら二人は森の奥へ奥へと進みました。
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