第一章 1+1=∞

9/36

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
 デビルくんの目が点になっている。まさか天野津海さんってデビルくん……? そういえば天野さんと通話がつながってから、ロッキーのテーマも聞こえなくなっていた。全校生徒からデビルと恐れられているデビルくんが少女マンガ家の天野津海? 私の目も点になった。逃げた方がいいのだろうか? でもいくら私が死ぬ気で逃げたって、デビルの魔の手から逃げ切れるわけがないのだ。  「待ち合わせ場所がずいぶんおれんちから近い場所で、変だなとは思ったんだ」  「天野津海ってずいぶんかわいいペンネームなんですね」  「あ?」  デビルくんに思い切りにらまれた。  「天野津海はおれの本名だ」  関わりたくなかっただけなのに、私はまたデビルくんを怒らせてしまったようだ――
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加