21人が本棚に入れています
本棚に追加
ずっと部屋から見ていた
四角く切り取られた窓の外。
透明な雨の降る日は、
唯一誰も外で遊ばぬ日。
カオルはおもむろに外へ出た。
学校が休みになってから
久しぶりの外。
傘も持たず、
家の近くの公園へ走った。
誰もいない雨の日の公園は
カオルにとって限定された遊び場。
雨の中、こいだブランコ。
「きゃははっ!」
と幼い子供みたいに笑い……
そして、笑いながら
目から暖かい雫が雨と一緒に流れ落ちた。
やがて、カオルは
ブランコをこぐのを止めて、
うつむいた。
ザ――……
それは雨の日の公園。
一人ブランコに乗った少年は
空へ向かって言った。
サ ビ シ イ
最初のコメントを投稿しよう!