【第一章】王道くんがやってきたよ!

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(お前はどこぞの熱血教師かよっ) という、心のツッコミはさておき。 「この俺様が、何故お前みたいなキモ野郎に指図されなきゃならないんだ?」 「なっ?!」 「……」「……」「……」 うん、さすが俺様バ会長。 ある意味そーゆう、他人の意見に流されない意志力とか尊敬するなー。 でも(多分)初対面の人にその言い方は無いよね。確かに見た目の違和感は落ち着かないけど。 まぁ単に自己中なだけか。 「大体、お前は誰だ。そんな気色悪い格好した奴、この学園に居たっけか?」 「!」 相手を蔑むような薄笑いを浮かべ、ジロジロと王道(仮)くんを見る会長。 うわぁ何か目が楽しそうだし。 絶対、残酷ないじめっ子の目だな、これ。 祥ちゃんと優ちゃんも興味が無いようで傍観しちゃってるし。 (ああ、まずいな) このまま放っといたらBLフラグ立たない気がするんだけど。普通に暴力やいじめで排除しそうな雰囲気だし、今の会長。 ……ううぅ、仕方ない。 俺も攻め要員に回る覚悟で、一先ず王道(仮)くんを助けようっと。 「ねえ会ちょ」 「その辺でやめてくれませんか、飛鳥」 「って、え、また?」 「チッ、瑞穂か」 『キャアアァ、滝沢様ーッ』 『今日もお綺麗です瑞穂様ぁ』 『凄い、朝から生徒会のお二人が見れるなんて』 何故か今度は生徒会副会長の “滝沢 瑞穂”(タキザワミズホ) さんが登場しました。 相変わらず腹黒い笑顔が素敵ですね。 ちなみに、この人も俺と同じ二年生。 てか何で皆、俺の台詞を邪魔すんの。 俺泣いちゃうよ? 「そもそも、彼の言う通りでしょう。飛鳥と……そこの“下半身バカ”な誰かさん達のせいで周りに人が集まっているのは事実ですし。正直、私も迷惑に思っているんですよ」 「くっ」 うわぁ、会長が言い負かされてる。 腹黒副会長さん、実は最強? ハッ! まさか二人は、腹黒鬼畜な女王様攻め×強気ツンデレな男前受け……。 ふおぉ、やばいドキドキしてきた。 いや落ち着け俺、大事な攻め二人が王道くんより先にくっついちゃったらダメでしょ。ここは一旦頭を切り替えるんだ。 そういえば“下半身バカ”って俺のことらしいよ。見た目チャラ男設定(優ちゃん命令!)な為か、学園内に変な噂があるみたいで。 .
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