【第一章】王道くんがやってきたよ!

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しかも副会長を除く全員の顔が、真っ赤ッか。 「うん?」 (ふ、郁人さんのさっきの笑顔……ヤバ。は、鼻血出そう)※祥太郎 (なな、何だこの人!? すっげー綺麗だし格好イイし、あの笑顔……っ)※転入生 「物っ凄い笑顔でしたね、郁人様。何か楽しいことでも?」 (こいつ絶対また変なこと考えてやがったな。クソ、油断した)※優馬 (郁人さま! その笑顔はもはや凶器ですーッ)※その他大勢 「ねえ優ちゃん、俺笑ってたのー?」 「ええ、それはもう思いっきり」 うわぁー……。そっか、ついつい腐な妄想が顔に出ちゃってたんだね。 だから皆、気持ち悪くて真っ赤な顔で怒ってた(もしくは気持ちの悪さを我慢してた?)訳だ。 うう、ごめんね皆。 内緒だけど、こんな腐男子な俺を許してね? <優馬 視点> 郁人のやつ、絶対に勘違いしてる。 自分の笑った顔が気持ち悪くて周りが変になってる、とか。 まさか自分が妄想してる時の、無意識に微笑む顔が……フェロモンだか色気だかを撒き散らしてて普段の数倍以上の破壊力を持ってる……なんて。 気付かないのはお前だけなんだよ! つーか、どうすんだ、これ。 周り大変な事(惨状)になってんぞ。 腰砕けたり失神してたり、前屈みになってる奴や、鼻血噴いてるのもあちこち。 この後、清掃員大変だな。あ、保健室もパニックだろうなぁ……。 とりあえずトイレに駆け込んだ奴らは監視しとく必要有り、か。 ――っんのバカ郁人め。 無駄に俺の心配事を増やしてんじゃねーよ。この無自覚・天然タラシが。 でもまあそんな厄介なとこも含めて、俺にとってコイツは誰よりも可愛くて大切な存在だったりするんだが。 とか俺が思ってんのを知られるのは何かムカつくんで、絶対本人には言ってやらねーけど。 <優馬視点・終わり> .
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