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フランス使節団
帰りは3人ともルンルン気分である。
母親は久々のフレンチレストランに行こうと提案した。二人とも「エー!やったー!」とはしゃぐ。
「ランチだと結構安く済むのよ。そこのシェフがパリの三つ星レストランの料理長をやっていたんだって。お父さんとも何度か来たわ。あれっきり行ってないけど」
最初に前菜が運ばれてきた。
「う、美味い!」二人は顔を見合わせる。
母親は鼻高々である。「因みにここはフランスと同様パンとバターは食い放題だけど2切れでやめておきなさい。がっついてる客と思われたくないし、本当にお腹一杯になって食い切れないからね。
「はーい。」と二人は見透かされたような声を出した。
やがて牛のホホ肉を煮込んだモノが運ばれてきた、母親は別のものを頼んだので見たことがない代物が出てきた。
「お母さん。それなあに?」
「子羊のあばら肉よ。」
「それ食べたーい。」
「みんなで分けあいっこしましょうよ。フランスでは普通のことよ」
「ところでそれフランス語で何というの?」
「Cote d'agneau :コート・ダ・ニョウよ。あなたのその姿勢お母さんは評価するわ!」
ユカリは嬉しそうに言った。「メルシーボクー」母親はノンノンと言いながら直す。
「Merci beaucoup ! よ」ユカリは言い直す「Melcie beaucoup!」
「LじゃあなくてRなの」
「エー難しい?!。」
「ついでに言っとくけどスープは『スープ』だけども飲むもんじゃあなくて食べるというの。オレンジは『オランジュ』レモンは『シトロン』レモングラスは『シトロネル』これくらいで止めましょう食事が冷めちゃうわ。」
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