1人が本棚に入れています
本棚に追加
【女が来たことで何かが変わっていると】
女は、自身の右手首に付けている自身の腕時計を見て、あっと我に返り、田中と妻に顔を向け、申し訳なさそうに告げる。
「すいません、もう行かないといけないので。」
「それは、仕方ないわね~また、何時でもいらっしゃって下さいね。」
「はい、ありがとうございます、それじゃあまた、田中さんもまた明日。」
「はい、また明日。」
そう言って、女は出て行った。
「綺麗な人ね。」
「ああ。」
「修也、さっきの人は、誰やの?」
女の去って行った入れ違いに、祖母、(キヌ)が現れて言う。
「会社の人だよ。」
「・・・修也。」
「何、おばちゃん。」
「あの女には、充分気をつけるんだよ。」
祖母は声を低くして、女が出て行った玄関を鋭く睨みつけていた。
最初のコメントを投稿しよう!