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大陸歴438年霧の月八日・ダンジョン・マスタールーム
激動の一日から一夜が過ぎた大陸歴438年霧の月八日、目覚めたミリアリアは居室で身仕度を整えた後にアイリスの居るマスタールームへと向かっていた。
マスタールームの扉の前に立ったミリアリアの脳裏に昨夜の浴室で自分の身体を洗ったアイリスの泡塗れの肢体とその感触が浮かび、ミリアリアは真っ赤になりながら首を振って脳裏からその姿と感触を追い払った。
(……あ、朝から何てふしだらな事を思い出しているんだ、れ、冷静になれ、ミリアリア・フォン・ブラウワルト)
ミリアリアがそう自分を叱咤した後にドアを軽くノックするとドアはそれに応じる様に独りでに開き、ミリアリアが開かれたドアから室内に入るとベッドから魅惑的な肢体に扇情的なデザインの下着のみを纏ったアイリスが小さく欠伸をしながら立ち上がり、朝一に見るには刺激的過ぎるアイリスのあられもない姿を目にしたミリアリアが真っ赤になって身体を硬直させていると、アイリスはもう一度小さく欠伸をした後に口を開いた。
「……あっふ、おはよう、もう身仕度を整えているの?流石は騎士ね」
「……お、おはよう、そ、その、ね、寝る時は、い、何時もその格好、なのか?」
アイリスに声をかけられたミリアリアはそのあられもない姿にどぎまぎしながら問いかけ、アイリスは平然とした様子で頷いた後に言葉を続ける。
「そうよ、貴女もやってみる?開放的な気分になれるわよ」
「っな!?」
アイリスが何でもない口調で告げた提案を受けたミリアリアはその内容に笹穂耳まで真っ赤になりながら絶句してしまい、アイリスはミリアリアの上気した顔を蠱惑の表情で見詰めながらミリアリアに向けて歩み寄り始めた。
ミリアリアは真っ赤な顔のまま後退りしたが直ぐにその背中がマスタールームの壁に当たり、アイリスは進退窮まった状態のミリアリアの間近まで歩み寄ると真っ赤な顔を愛しげに見詰めながら右手を掲げ、ミリアリアがこれ以上動こうとするのを制する様に真っ赤なミリアリアの顔の横の壁に掌を当てた後にミリアリアの真っ赤な顔を見詰めた。
アイリスに見詰められたミリアリアは恥ずかしげに俯いたがアイリスは左手の人指し指と中指をミリアリアの形の良い顎に当てて軽く押し上げ、俯いていたミリアリアの顔を上げた後に愛しげにミリアリアの真っ赤な顔を見詰めながら言葉を続けた。
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