黎明索敵

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アイリスの告げた爆弾発言を受けたミリアリアは茹でられた蛸や蟹の様に真っ赤になりながら盛大に狼狽えてしまい、その様子を目にしたアイリスは悪戯っぽく微笑(わら)いながらミリアリアを見詰めたが、その行動に生来の負けん気を刺激されてしまったミリアリアは真っ赤になった顔のままやけくそ気味に口を開いた。 「……か、か、覚悟しておくんだな……よ、夜討ち朝駆けは戦の必須項目だからな……あ、貴女に……よ、よ、夜這いをかけた時は……い、今まで、か、からかわれてきた御返しを……た、た、たっぷりしてやるから……な」 (……って私は、な、何て事言って) やけくそ気味に台詞を言い放ってしまったミリアリアは内心で狼狽えてしまい、急いで発言を取り消そうとしたが嬉しそうに頬を緩めたアイリスはそれを制する様に口を開いた。 「……嬉しい事言ってくれるのね、あたしは貴方が夜這いに来てくれた時点でもう陥落しちゃっているから、思う存分あたしを蹂躙してね」 「……じゅっ……蹂躙ってっ!?」 アイリスの艶かしい言葉を受けたミリアリアは真っ赤な顔で上擦った声をあげ、アイリスは蠱惑の笑みを浮かべて頷いた後に更に言葉を続ける。 「……少し待ってて着替えるから」 「……へ?……あ、ああ、分かった」 アイリスの言葉を受けたミリアリアは混乱状態から回復すると真っ赤な顔で応じ、アイリスはベッドの所に戻り何時もの扇情的な装いを身に纏った後にミリアリアの所に戻ってきた。 「改めて、おはよう、よく眠れたかしら」 「……あ、ああ、おはよう……これまで戦闘や撤退が続いていたからな、昨日は久し振りによく眠れた気がする、ありがとう」 アイリスの問いかけを受けたミリアリアは自分を落ち着かせる為に小さく深呼吸をしながら答えた後に感謝の意を告げ、アイリスは穏やかな笑みを浮かべながら言葉を返した。 「よく眠れたみたいで何よりだわ、それじゃあ、昨日の夜話した通り、周囲の偵察を始めるわね」 アイリスはそう言いながらゆっくりと瞳を閉ざし、暫し意識をを集中した後に口を開いた。 「サウザンズ・アイ」 アイリスが言霊を放つと同時に虚空から1羽の隼が姿を現してアイリスの肩に止まった、アイリスは肩に止まった隼を示しながらミリアリアに対して説明を始めた。
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