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「論より証拠とも言うからこうして実際に1羽見て貰ったわ、この子の他に鷹や鳶、烏、蝙蝠、鹿、猪等に化けた使い魔達を周辺に放って偵察を行うわ、この子達が目にした地形等の情報を地図に纏めつつロジナの連中や貴女のお仲間さん達の様子、それにラステンブルク伯国の様子なんかも収集するつもりよ、それじゃあ行きなさい」
説明を終えたアイリスが肩に止まる隼に声をかけると、隼は一声鳴いた後に羽ばたたいて虚空に消え、その様子を目にしたミリアリアは感嘆の面持ちと共に口を開く。
「こう言うのを目の当たりにすると改めて貴女の力を実感させられるな、本当に感謝している」
「気にしなくて良いわよ、御礼も貰えるんだし、御風呂での御礼、楽しみにしてるわよ」
「ぐっ……ぜ、善処する」
アイリスに感謝を告げたミリアリアはアイリスの返答に真っ赤になりながら応じ、アイリスはそんなミリアリアを愛しげに見詰めた。
アイリスの指示を受けた使い魔達は森に住まう様々な種類の生物達の姿で周辺に散り偵察活動を始め、一方ロジナ候国軍残党狩部隊の本隊は発見された新規発生ダンジョンの踏破状況とそこに逃げ込んだと推測される高位エルフ捜索の結果を確認する為下級幕僚を1名派遣し、派遣された下級幕僚は護衛とダンジョンを発見した部隊から派遣された伝令を従えてダンジョンへと向かっていた。
激動の一日から一夜が経過した黎明、アイリスは周辺の状況とミリアリアの懸念の正否を確認する為に使い魔達を周囲に放ち黎明策敵を開始し、一方ロジナ候国軍残党狩部隊はダンジョンの踏破状況と高位エルフの捜索結果を把握する為、下級幕僚を現地へと派遣した……
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