第1章 はじまりの朝

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_______ キャストライトはこの街の1番大きな市場で街の中心部にある。郊外住まいの僕たちはチクタク馬の馬車に1時間くらい揺られてやっと市場の入り口に到着するんだ。 入り口の方を覗くとそこには全身銀色の鎧で身を固めた厳格そうな騎士が自分達の10倍の高さはあるであろう鉄製の門を守るようにして左右に1人ずつ立っている。 騎士たちは顔も全て覆われている為顔色を伺う事が出来ず僕は少し尻込みした。 門の左には目に赤い宝石がはめられたドラゴンが、右側には青い宝石がはめられたグリフィンが象られているのが見える。 僕とおばあちゃんは馬車を降りてゆっくりゲートまで歩いていく。 僕たちがゲートの前に辿り着くと右側にいる騎士がすかさず、 「入場許可証を」 と低い声を響かせた。 僕はリュックからさっき貰ったばかりの入場許可証を出し自慢気に差し出した。 それを見た騎士は 「入場おめでとう。初めての買い物を存分に楽しんでくるんだぞ」 そう言うと僕の入場許可証を門の右側に掘られていたグリフィンの口の中に入れた。 カシャッ! と音が鳴り門の一部がパズルのように崩れ始め、大人の男性でも通れそうな大きさの入り口が現れた。 どうやら僕たちはそこから中に入れるようだ。 「裏のエンブレムから出ている入場許可証を取り忘れないようにな」 さっきの騎士がそう教えてくれた。 顔は見えないけどきっと笑顔でいてくれているんだろう。そんな事を感じながら僕は待ちに待った場所のひとつへと乗り込んだ!
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