良き隣人

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その男は、泥水を吸い込んだデニムパンツとTシャツの俺に「タオルありますよ」と言い、拭いてくれて、リュックについた泥を丁寧に落としてくれた。 俺は恐縮して、ただひたすら「有難う御座います」を繰り返した。 「よかったらどうぞ」と男はウィンドブレーカーを差し出した。 「シャツが乾くまで、良かったら」 明日は出勤である。こんなことで風邪をひいたら面倒だ。俺は好意に甘えることにした。
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