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海から戻ると、朋樹はまず 玄翁に会って 『どんなことでもいい。探す方法を考えてくれ』と 頼んで、玄翁は山神たちに話した。 すぐに泰河連れて、自分の実家に戻って 『余計なことをするな』っていう おじさん ... 朋樹の父さんと 大ゲンカして 昼間は泰河の実家で、式占で占い 『最初に獣を降ろした巫女を降ろす』と 反魂香を焚いて探し 夜中になると、神降ろしの間に忍び込む。 けど、巫女は降りず、獣も降りず。 自分の兄ちゃんの透樹くんにも頼み込んで 神降ろしの間で、ヘブライ語の呪文を詠唱させても、やっぱり獣は降りなかった。 『親父で降りて、オレで降りないはずはない。 何か足りねぇんだ。それを探す』 オレにもジェイドにも、一日 二回は 『なんか情報は?』と 連絡してきて 『ねぇよ。あれば言うしよ』って返して しょっちゅう面倒な言い合いになる。 朋樹は、何もしないで待つとかは 出来ねーんだよな。まぁ、わかるけどさ。 カウンターの榊の隣に座る。 榊はオレに、申し訳なさそうな眼を上げた。 だから「なんだよ、榊ぃ」って、鼻を弾く。 朋樹は、沙耶さんに榊を紹介して 『何か わかったら、教えて』と 霊視を頼んで置いて行っちまった。 『こいつは護衛に』って、ゾイも。
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