奏でるは天使の吐息

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無防備に寝てくれちゃってまぁ。 はぁ。本当、参るぜ……盛大な溜息が出る。 好きな人の膝枕。コレって人気のシチュエーションだろ?いや、もちろん俺がしたい側なんだけども。 もう一度溜息をついて天井を仰ぐ。 頭を支えてくれるベッドがふかふかだ。このまま寝ちまおっかな。とか、一瞬思っちまったけど、風邪ひくっての。十二月だぞ? 「ん。」 お。起きたか?体を起こし、ソウタの様子を(うかが)う。 「……それ違う……テッちゃん……ヘッタクソ……」 ……寝言だった。どうやら俺は夢ん中でもゲームが下手らしい。良いとこなしかよ、おい。 へへ。と寝ながらもソウタが笑っている。夢だけどお前が笑ってんなら、いいか別に。 笑った拍子に落ちた前髪がくすぐったそうで、それをそっと直す。 うわ。さらっさら!俺のくるくる猫っ毛とは大違いだ。 色も白いよなー。肌なんてもちもちしてんぞ?あ。耳のうしろにほくろ発見。 寝ているのをいい事にまじまじとソウタを観察。 あぁー。マジで俺のモンになんねぇかな。
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