16人が本棚に入れています
本棚に追加
告る覚悟もねぇのに一丁前の独占欲。
誰かに取られるくらいならいっそこのまま……
横向きで眠るソウタのこめかみへ小さなキスを落とす。
「……テツ兄、なにしてんの?」
突然名前を呼ばれて死ぬほど驚いた。
タイミングがタイミングなだけに……。
驚いた拍子に膝からソウタの頭を落としてしまい慌てたが、運良くクッションの上。
ホッと胸を撫で下ろし、改めて声のした方向をみる。
「大丈夫。そんくらいじゃ起きないから、そいつ。」
部屋のドアを開け放ち、それに寄りかかってこちらを見ていたのは……ソウタの双子の妹、爽香だった。
よ!なんて片手を上げて軽い挨拶をされたが、ここの家族はドアをノックするという常識を知らないのだろうか。
「ねぇ、テツ兄。ソタの事好きなの?」
なっ。いや、えと、その……さっきの、見られたのか?
「あぁ、そんな慌てなくても平気だから。アタシ偏見とかないし。むしろ好物っていうか?
いや待てよ?でも双子の兄がってのは……けど相手はテツ兄でしょ?んー。アリだな!アリ!うん!!」
なんかブツブツと自問自答してっけど、えーと。つまり。俺の気持ちはバレたって事、だよな?嫌悪はされてなさそうだけど。はは。
最初のコメントを投稿しよう!