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5分もいらなかったし、別に日高も一緒でよかった。なんて思っていると 千晃が椅子から立ち上がってゆっくり歩いてきて距離がドンドン縮まる 西「 千晃、お… 」 〝 おめでとう 〟と言う前に遮られた 伊「 お願い… 何も言わないでっ 」 肌に触れることなくスーツの袖だけをグイッと引っ張られて、長い睫毛を伏せた瞳からはポツリと涙が零れていた その涙は何なの、嬉しいの?悲しいの? 何考えてんの、何を隠してんの。 キミの涙のせいで、抑えていた感情が制御できなくなったよ こんなにもHappyな日に主役が本番前に泣くなんて… でも、俺は言うよ(笑) 西「 ふふ 千晃結婚おめでとう!ちゃんと幸せにしてもらうんだよ? 」 いつも以上の満面の笑みで、心から祝福してて、自分のことのように嬉しそうに。 それと、捉え方では嫌味に聞こえることも加えて言っておいた これでいい、これでいいんだよ、ふ それと、 西「 …好きだよ 」 ムカつくほどにね。 袖を掴まれていた手を自分の顔の前に持ち上げて、まだ指輪もウエディンググローブも付けていない白くて細い綺麗な左手の薬指に〝チュッ 〟っと短いキスを落とした。 あまりにも一瞬の出来事に唖然とする千晃に〝 またね 〟っと笑顔で告げて素早く部屋を出る
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