ミセス・ミュラー

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 そんな経緯で愛人となった私は、すぐに彼女の屋敷に招待されました。  クーパーと名乗る初老の執事が運転する車に乗せられ、この人間が二人転がっていても苦しくない広い車内をしばし堪能しておりましたが、屋敷に行くまでの道のりは遠く、他に車も通らない山を延々と登って、ようやくある門まで案内されたのです。 まさに金持ちの隠れ家と言われて想像したものを、目の前に置いたような館でした。 その館の女主人ミセス・ミュラーに歓迎のキスを贈られ、私の新しい愛人生活は始まったのです。
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