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その瞳に映るのが俺だったら良かったのに…
「どうせお前、恋もしたことないんだろ?」
俺だってそうだけど。
でも女子たちが、俺がクラス1の美女だの年上の女だのと付き合って手馴れてる、なんてどこかで捻曲がった噂してるのも俺は知ってる。
「教えてやろうか?恋の仕方」
成り行きだった。
「…え」
「好きな奴と上手くいきたいんだろ?」
賭けだった。
「……」
「稽古、つけてやるよ」
俺は机に手を突いてぐいと身を乗り出し、星宮の顔を覗き込む。
「どうする?」
頼むから「はい」って言って…
「…よろしくお願いします」
おずおずとそう答える星宮。
(マジかよ…)
顔では平静を装うけど、正直俺が一番驚いてる…
そんな風にして俺と星宮の『疑似交際』が始まった。
*
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