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服部一義の日常ー4
勘のいい人は察してるかもしれないが、俺は戦国時代を代表する
伝説の忍者、服部半蔵の直系の子孫にあたる。毎日のように隠密行動
訓練を受け、古来より伝わる無数の暗殺術を極めたが、忍者たるもの
俗世に忍者とばれてはいけないので、出来るだけ目立たないように
する必要がある。隠密を極めていても、この状況から抜け出すのは
容易ではない。ゲーム画面に熱中しているとはいえ、トイレを出るには
ドアを開ける必要があり、4人の内1人にでもばれてはいけない。
抜け出すには衝撃的な出来事がおこったりして、気を逸らされる
状況にならない限り不可能に近い。ハードルは高いのである。
忍者も1人で行動するときもあったらしいが、組織立って動くのが
ほとんどだった。1人で状況打開というのは今も昔も難しいということか。
果報は寝て待て、こうなったらその時が来るまで待つしかない。
徳川家康の気長さが少し欲しいと思いつつ考えを巡らせていたときだった。
かすかに、本当にかすかに足音が廊下から聞こえてきた…。
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