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ガイの隣には白髪に顎鬚の男、それが山羊のハンクであることは分かっている。
なぜなら、神だから。
ストレイクのもとには、灰色の髪をひとつに結っている鸛のホルボが。
ビートのもとにはセットしてきた黒髪を何度も直している蒼鷺のギンノウ、ノーズゼインのもとには橙色のうねった髪をしている鷹のレオジオン。
氏神のもとには灰色の長い髪をひとつに縛っている鵜のヴァルソイ、そして苹里のもとには緑色の髪をした舌打ちばかりしている郭公のネビーが対峙している。
「神の膝もとに置いておくには、なんとも穢れすぎた連中だな」
神と同様、遠くのものが見えている魔王はそう呟いた。
同じ風景が見えているだろう神は、頬杖をつきながら足をプラプラさせ、青のグラデーションの髪を風に靡かせながら、パールホワイトのリングのイヤリングを指先でいじる。
「穢れすぎた、ね。面白いんだけどねぇ」
―ストレイク(蜘蛛)VSホルボ(鸛)―
常に森に常駐しているストレイクは、人間の姿からすぐに蜘蛛の姿になると、毎日のようにはり続けている蜘蛛の糸で作った罠をホルボに引っかけようとしていたのだが、ホルボの大きな身体ではすぐに壊されてしまっていた。
「やっぱでかい身体ってのは厄介だな。あれくらいないと、子供を運べねえんだろうな。いや待てよ。子供運ぶってこと自体、鳥には不可能じゃね?無理じゃね?幾らなんでも重すぎだよな」
1人でぶつぶつと言っていると、ホルボは次々に罠を壊して行った。
あんなに大きな生物と捕えるために罠を作ってはいないと思いながらも、ストレイクはため息を吐いてから気合いを入れる。
一方ホルボは、自分よりも随分と小さな蜘蛛へとなってしまったストレイクをどうやって見つけ出そうかと思っていた。
「はっはっはっは!全然見つかんねぇなこりゃ!!困っちゃったなぁ。どうするか。一飲みして終わりにしてぇなぁ!!」
こちらも独りごとを言いながら歩きまわっていると、何やらごそごそと物音に気付き、こっそりと覗く。
すると、そこには何やら必死に作っているストレイクの姿があった。
ホルボは身体の大きさの差があるからか、気付かれることを恐れずに、音を立てながら一気にストレイクに近づいて行った。
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