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七章
そして約束の月曜日がやってきた。
高鳴る胸を抑えきれずに、速足で学校へと向かった。やけに時間が過ぎるのが遅く感じる。
何回時計の針を確認したか分からない。これじゃあ誕生日プレゼントが待ちきれない子供じゃないか、そう嘆いて何度も頭を振った。
その日の練習はいつも以上に声が出ていた。先輩がいなくなった今、自由への解放感と、自分たちが引っ張っていかないといけないという責任感が俺たちをそうさせていたのだと思う。
しかし同時にこれは長く続かないなとも感じた。所詮これは空元気のようなものなのだ。本当に結果を残すことが出来る人間は一人で黙々と努力が出来る人間だ。
時刻が六時半を迎えるチャイムが鳴り響き、帰り支度を進める。
体から汗の臭いと砂ぼこりを体の目立つ部位から取り除いていく。制汗剤の入り混じる香りは学校特有の臭いなのだろうか。
グラウンドからはそのまま直接家に向かう者と校門や各々の待ち合わせ場所に向かう者とで別れていった。
普段は共に下校している数人の友達と手を振って別れて、彼女の姿を探しながら校門へと歩を進める。今日は必ず待っているはずだ。
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