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私の『哲学』をそのまま飲み込んでくれる。笑わなくてもいいと言ってくれる。どんな考えがあっての事かなど分からないが、とても救われる言葉だ。
「そうだ、僕が笑って、桑折さんのエネルギーを外から足すってのはどうだろう? 溜まるの? いや、溜まらなくても勝手に笑っちゃうから、いっか! あっはっは!」
天道君のいい加減な態度。バカでかい笑い声。でも、なんて温かいのだろう。桑折さんの心の中はじんわりと温められて、
「ぷっ!」
思わず吹き出してしまった。そして驚いた。
――笑った。私が?笑う事なんて無かったのに。
桑折さんが自分で驚いていると、天道君は顔を真っ青にして慌てている!
「えっ!? 大丈夫!? エネルギー、漏れてない!? もったいないよ!」
見当違いの心配を真剣にしてくれる。それがまた、もうおかしくって。
「ぷっ! あははははっ! 天道君、面白いよ~! あははははっ!」
かつて無い程、腹の底から、大声を上げて笑う一笑。その様子を見て、天道君もほっとした顔で一緒に笑う。
小さな音でもとても響く廊下だったから、笑い声は特に大きく聞こえたような気がしたが、それはきっと気のせいではない。
一笑達はしばらく笑っていた。慣れない大笑いで、もうお腹もほっぺたも痛い。涙が止まらない。でも、何て心地良いんだろう。
ひとしきり笑った後に、天道君は
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