笑わない女の子と笑いすぎる男の子の、笑顔にまつわる物語

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「でも、本当にエネルギーがもったいなかったんじゃないの?」 と言うので、桑折さんは微笑みながら、 「大丈夫だよ。漏れだした以上に、天道君が外から足してくれるから」 と言ってあげた。  翌日の学校は、パニックであった。 「おはよ~、桑折さん!」 「おはよう」  クラスメートがいつも通り桑折さんに挨拶をすると、桑折さんはニコッと微笑みながら挨拶をしてくれた。  微笑んでる……笑ってる?桑折さんが!?  状況を把握できず、ざわめく生徒達と、いつも通りの生活をする桑折さん。  遅れて教室に入ってきた天道君が、桑折さんを見つけて挨拶をする。 「おはよ~! 桑折さん!」  バカでかい声に振り返り、小さく笑いながら 「おはよう、天道君」 と返す桑折さん。何て事のない、『普通』の朝の挨拶だ。  あぁ、これが『普通』じゃないか。なんだって僕たちは大騒ぎしていたんだ?  皆はざわついていた自分たちが可笑しくなって、一斉に笑い出した。  それからは、当然ながら水曜日の大会も開かれる事もなく、静かな毎日が過ぎていった。いや、相変わらず天道君は騒がしいが。     
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