季節外れの夏の花

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彼女の病気は、原因不明、今の医学では解明できない不可思議な病らしい。 この病気は血液凝固性樹木病と呼ばれている。 症状としては、現在かかっている人の全てが10歳の誕生日に発症、不整脈が増え体調が悪くなってゆく、発症から10年、身体の外側、皮膚が日々固まっていき、最終的には足先から頭まで、血のような真っ赤な木に、真っ赤な葉がその先から赤い花が咲き誇る。そしてその花が黒く枯れた時、心臓が止まるというものだ。 体内は基本的な機能は樹木化せず動いているが、樹木化した部分は感覚がないらしい。 その赤い花は血液からできたとは思えないほどの鮮やかな赤、そして細かく、繊細な花びらは誰が見ても美しいと言う代物だった。 人の人生の儚さと美しさを体現したようなその花は【生終花(セイシュウカ)】 と名づけられ人の生死、人生を象徴する花として有名になった。 花言葉は【人生】【成人者】【私は最後まで綺麗でいる】【死を恐れない】【咲き誇るのは散り際だけ】
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