笑う仮面にご用心

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「三吉さん、どうしたの今の映像!リハーサルの時はちゃんと準備した映像だったよね」  私は一人じゃなくなった安堵と起こった事実の重さに泣きそうになる。 「藤城君、私、ごめんなさい。リハーサルと同じようにDVD再生したはずだったんだけど、どうしてあんな映像が流れたのか私にもわからなくて。本当に、ご、ごめんなさい」  後半は本当に涙がこぼれてしまった。何日もかけて皆で準備してきた、その本番だったのにスタートから私が台無しにしてしまった。  私の涙に動揺した藤城君が慌てて言葉を繋ぐ。 「あ、いや、とりあえず落ち着いて。今、会長や実行委員の人たちがどうするか話し合ってると思うから。とにかく、落ち着いて」  藤城君の困り果てた顔を見て、私は慌てて涙を拭いた。  そこで体育館の照明がようやく点けられた。泣き顔を見られたくなくて下を向いていた私の耳に、よく通る生徒会長の声が響いてきた。     
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