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                      太が死体になる前日の夜。 あるアパートの一室で、一組の男女が体を密着させている。部屋の明かりはついていない。 男は髪が金髪で、わずかにあごひげをたくわえていて、腰にはじゃらじゃらとシルバーのチェーン。腰まである女の赤い髪をなでている。 女のほうはデニムのパンツから脚がむき出しなのがなまめかしい。 「なあ、もう服ぬいじゃえよ。」 乱暴に男が言った。 「え、でもさあ、ここ、あんたのカノジョの家じゃん。やばくない?」 女の方は少し及び腰である。 「いいさ。どうせ、あいつはいつも帰りは遅いんだからさ。ばれねえよ。」 「あんたのカノジョってさ、刑事なんでしょ?。ここ、カノジョの家なんでしょ?やっぱやばくない?」 「かまわねえよ。そんなの知ったことか。」 女が言うのもかまわずに、男は強く女を抱き寄せた。 だが、男が女のトレーナーに手を伸ばしたとき、急にパッと部屋の明かりがついた。 男がまぶしげに部屋の入り口を見ると、一人の女が仁王立ちをしている。この部屋のあるじ、倉場なみである。 「・・・なんだよ、もう帰って来たのかよ。こんなときにかぎって早いんだな。」 憎々し気に男がつぶやいた。 「ヒロシ、ここはあたしのウチよ。ほかの女連れ込まないでよ!」     
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