0。

1/1
110人が本棚に入れています
本棚に追加
/133ページ

0。

 ・・・・。 「八月二十五日。 さいきん、お父ちゃんとお母ちゃんはけんかばかりするようになった。 お父ちゃんはわたしのふでばこをつかんで、お母ちゃんをなぐった。お母ちゃんはないていた。」  ・・・・。   「八月二十八日。 きょうもお父ちゃんはお母ちゃんをたくさんなぐった。 わたしがやめてといったけど、ぜんぜんきいてくれなかった。 お母ちゃんがなきはじめると、お父ちゃんはいえを出て行った。」 「八月二十九日。 ばんごはんは、お母ちゃんとわたしの二人だけだった。 お母ちゃんは、"もうお父ちゃんはかえって来ないからね"とわたしに言った。 わたしが、なんで?ときくと、"だまってたべなさい!"とおこられた。」 「八月三十日。 夏休みのしゅくだいをあまりしていなかったので、 お母ちゃんにびんたされた。 お母ちゃんにびんたをされたのははじめてだったから、びっくりした。」  ・・・・。 「九月二日。 学校からかえって来るのが五分おそかったから、 お母ちゃんにふとんたたきでなぐられた。」   「九月三日。 おさらあらいをてつだっていたとき、おさらをわってしまったので、 またふとんたたきでなんどもなぐられた。」 「九月四日。 よる、テレビを見ていたお母ちゃんに"お母ちゃん"とよんだら、いきなり、 わたしのふでばこをつかんで、なんどもなんどもなぐられて、にわにおいだされた。 やさしかったお母ちゃんがお父ちゃんになった。」
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!