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Ⅳ
これでいいんだ。
金子さんと小百合が、仲がいいのは、良い事。
金子さんには、幸せになってほしい。
だから、諦める。
好きな気持ちも、無くす。
その瞬間、涙が零れた。
そう思えば思う程、金子さんを好きな気持ちが広がって、諦める事ができない。
どうすればいいのだろう。
あの人を、心の中から追い出すには、どうすれば。
その時、グラスの中の氷が、カランッと鳴った。
お酒の中で、氷が解けて行く。
ああ、金子さんへの想いも、こんな風に、水の中に溶けていけばいいのに。
私は涙を拭くと、シャワーを浴びた。
そう。
金子さんへの想いが、溶けてこのまま、流れ去ってくれればいいのだ。
だけど、気持ちは一向に流れずに、まだ私の中にくすぶっているようだった。
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