3/5
前へ
/27ページ
次へ
「最近、紀之と雪歩が、仲良くしているのを見て、嫉妬してた。」 「バカね。仕事上じゃない。」 「うん。私、本当に馬鹿だった。」 ようやく笑顔になってくれた小百合に、私の顔もほころぶ。 「もう、定時になっても迎えには来ないから。これからは、紀之の事、使いまわして。」 「使いまわしてって、金子さんは先輩よ?」 小百合が笑うと、私も笑った。 そして小百合は、別な話題も振りまいて行く。 彼女は、私の隣の席に座った。 「ところで雪歩の気持ち、紀之に伝えなくていいの?」 「いいわよ。伝えたところで、何にもならないし。」 「そんな事ないわよ。人を好きになるって、大変な事よ。相手を思いやる気持ちだもの。伝えるべきよ。」 小百合は、なぜ急にそんな事を言いだしたのか。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加