5/5
前へ
/27ページ
次へ
そんな風に、小百合は金子さんに、甘えているね。 「……小百合、私の気持ち、金子さんに教えてないの?」 「私はそんなに、親切な人間じゃないもの。」 私達は顔を見合わせて、笑い合った。 「とにかく、紀之に好きだって伝えて。それで、すっきりしてほしいの。」 「すっきりね。言う通りかもね。振られれば、すっきり片が付くものね。」 小百合は、私の手を取った。 「それよりも、雪歩の気持ち、もっと大事にして。紀之の事好きだったこと、無かった事にしちゃあ、ダメよ。」 「了解。」 すると小百合は、すっと立ち上がった。 まるで、すっきりしたように、顔に赤みが戻って来た。 「じゃあ、また明日。」 「うん。お疲れ様。」 小百合を見送って、私は目を閉じた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加